飛行機にはたくさんの窓がついていますが、客席の横についている窓は全て小さくて丸い形をしています。どうして角の部分が丸くなっているのか、それは窓の安全性を考慮した結果であると言えます。
もし飛行機の窓の角が丸くなく、四角い窓になっていたらフライトするために四つ角の部分に力が集中して亀裂が生じてしまうでしょう。亀裂だけならまだしも、割れて粉々になってしまうかもしれません。
角を丸くすることによって、高い場所を高速で移動する飛行機でも、その圧力を分散させることができるのです。そして飛行機の窓は、普通の窓とは違って、3層構造になっています。
一番外のパネル:機内の気圧を支えて空気を外側に逃がさない役割があります
二番目のパネル:万が一、一番外のパネルが破損しても、その代替をする
一番内側のパネル:他の2層のパネルを保護する役割があります
また、窓の素材はガラスではなく透明のアクリル樹脂でできており、ガラスに比べると圧力に対する柔軟性があり、且つヒビが入っても周辺に広がりにくい性質があるため、飛行機の窓に適していると判断されました。
気圧は上空であればあるほど、低くなります。例えば空気が充填されているお菓子の袋を、富士山の山頂にもっていくとパンパンに膨れ上がるのは、気圧が低くなることで袋の中の空気が膨張するために起こる現象です。
それと同じ事が飛行機でも起こります。
例えば高度1万メートルを飛行している場合、その場の気圧は0.2気圧ですが機内の気圧は0.8となり、その差は0.6気圧もあります。つまり飛行機は0.6気圧の力で外側に膨張しているわけです。
この0.6気圧の力は1平方メートルあたり6トンもの力が加えられていることになり、客室の窓には何百キロという力が加わっていることになります。この力に耐えるために、飛行機の窓は小さく、丸くなっています。
もし飛行中に気圧差に耐えられるなどが割れてしまったら、飛行機内の空気は外に出てしまいます。下手をすれば乗客が外に吸い出されてしまうかもしれません。
実際に1973年に起こった事故では、窓から乗客が外部に排出されるという事故が起こっています。このことから、飛行機は窓1つに至るまで安全性を考慮した構造になっている訳です。
飛行機の窓と同じく、どのような事でも細心の注意を払うべき事項は、他にもあります。
車の構造なども意識しないレベルで安全性における工夫がなされています。