飛行機は非常に多くの部品から作られています。
数えきれないほどの部品で成り立っている飛行機ですが、
それらの部品はどのように接合しているかご存じでしょうか。
簡単に考えるとリベットや溶接で行われているようにイメージしますが、
果たして本当のところはどうなのか、見てみましょう。
■飛行機の部品接合は大量の接着剤が使用されている
飛行機の部品接合は、一般的には想像もつかないような
大量の接着剤が使われているのです。
大型ジェット機の場合、使用される接着剤は何と1トン近くにもなります。
接着剤を1トンともなれば、想像もできない量ですが
その1トンという数字もリベット等の総重量よりも軽いのです。
つまり接合に接着剤を使うことは、機体の軽量化に役立っているという事です。
■リベットは強固になるがデメリットも多い
リベットは部品に穴をあけて結合させますが、穴をあけるということは
その周辺に応力が集中してしまうので、その部分が疲労すると
ひび割れが発生するリスクが高まります。
しかし接着剤による接合は、接着面全体に応力が分散されることから、
疲労を起こしたり、ひび割れするリスクが大幅に減ることが分かっています。
■接着剤は余計なチェックが不要
接着剤の場合、リベットのように接合部分の疲労チェックも不要で、
全体的な部品数も少なくて済むというメリットもあります。
そのため整備、製造コストを大幅に削減されます。
このことから接着剤を使った接合は増加傾向になります。
最近では繊維で強化されたプラスチック複合素材等が増えていることからも、
接着剤はより活躍の場が増えると予想されています。
■接着剤を使用することのデメリット
接着剤を使用することも完璧ではありません。
どのような事にもデメリットはあり、接着剤を使用する場合は
単純に貼り付けているだけになるので、接着剤と素材の強度差から
発生する応力の集中というデメリットが出てしまいます。
ただこのデメリットも最近では疲労耐性に強い接着剤が開発され、
それを使用することで解消の方向へと進んでいる。
部品はプラスチックが増え、接合は接着剤が増えていく。
これはまるでプラモデルのような組み立てになっていると言えるでしょう。
■無駄をなくし強度を上げて、安全性を向上させる
接着剤で飛行機の部品を繋げているなんて、怖い!と思うかもしれません。
しかし接着剤といえども、一般に使用されているようなものではなく
より改良された素晴らしい性能を持った接着剤を使っています。
ですから無駄をなくしつつ、強度も上げる。
そして最終的には安全性を向上させることに繋がっているのです。
リベットを使う方が強固に思ってしまうのは、一般的な感じ方であって
実際には様々な研究がなされていることが分かります。
今後も改良が進み、リベットの総重量を接着剤が上回る日が来るかもしれません。
飛行機に乗った際、この部品はどうやって接合されているのだろう?
と思って乗るのも楽しいでしょうね。