LCCのコスト削減方法

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航空会社のコストはどう計算されるのか?

航空会社のコストはどう計算されるのか?

 

LCCはコストを出来るだけ削減することで、安い運賃を可能にしています。
では、航空会社のコストとは一体どんなものなのでしょうか?

 

1.燃料費用
2.着陸費用
3.機内サービス費
4.整備費
5.乗務員や予約係などの人件費
6.建物の維持費

 

などなどこれらの費用を1便・1席あたりで割ったものが航空会社のコストとなります。
つまり同じだけ費用がかかっても1便・1席あたりの母数が多くなればコストには大きな差が生まれるということでもあります。
少しの費用の差も積み重なれば大きなコストになります。

 

例えば、1便あたりのコストが単純に100万円だったとして100席の飛行機と150席の飛行機では1度に運べる客数が違うため明かに後者のほうがコストは低くなります。
また、1便あたりで考えれば、その飛行機の購入費費用が150億円だったとして1日1往復しかせず2便の運航しかしないのと、1日3往復で6便使用したとすれば後者のほうのコストがぐんと低くなるのは明白です。

 

ですからLCCは固定費である人件費や建物の賃借料を押さえた上で更に座席をできるだけ多くし、稼動数を上げることでコストを抑えることを実現しています。
チケットの販売もインターネットを使って直接利用者に販売することで流通コストを大幅に削減することができます。

 

こうした努力によってコストを抑えることで、1席あたりの運賃を大幅に安く提供しても利益を出すことができるのです。

LCCはどうやってコスト削減をしている?

LCCはコスト削減のため空港使用料の安いサブ空港に乗り入れています。
そして、それだけではなく様々な手法で、コストを削減する努力をしているのです。

 

 

例えば、LCCの航空機は自走して、旅客ターミナルのゲートから離れたところに駐機しています。
乗客は搭乗時にバスで飛行機に向かい、乗り込みます。
沖止めにすることでトーイングトラクターによるプッシュバックが不要になり
ボーディングブリッジも使用せずに済みます。
トーイングトラクター、ボーディングブリッジ共に使用料が抑えられるのでコスト削減につながります。

 

また、ゲートの到着から離脱までの所要時間が極めて短いです。
平均で25分程度となっており、大手航空会社の半分程度となっています。
あっというまに折り返しの輸送が出来るのは機内食の搭載しないことや、機内清掃をCAが行うからです。

 

このためLCCの飛行機はとにかく飛行時間が長いです。
日本の国内線、大手航空会社の機体が平均7時間程度しか飛んでいないのに比べ世界のLCCは日本の国内線のほぼ倍近い時間をフライトしています。

 

加えてLCCは航空貨物を基本的に取扱いません。
LCCが使用しているのは空席を少なくするために小型機が中心です。
このためもともと胴体下部の荷物室が小さく、荷物の輸送には適していません。
荷物の積み込み時間も少ないため、素早い折り返し運航が可能になっているのです。

 

LCCでは座席指定をなくすことで、係員の負担を少なくしています。
よい席に座るためには早めに出発ゲートに並ばなくてはいけませんから遅れてくる搭乗客はいません。
スムーズに乗客を登場させることも、素早い折り返し運転ができる理由の一つとなっています。

ITを利用して人件費を減らすLCC

LCCとITは切っても切り離せない関係です。
近年LCCがここまで利用者が増えたのはITをうまく活用したからという側面があります。

 

運賃を安く設定しているLCCが利益を上げるためには、コストをできるだけ安く抑える必要があります。
そのためには人件費もできるだけ減らさなくてはいけません。

 

かつてほとんどの航空会社は航空券の発売を旅行代理店に任せていました。
航空機を予約するのは難しく、専門家にまかせないと難しいと思われていたため、社内に多くの予約専門のベテラン職員を抱えていたのです。
当然ベテラン職員にはそれなりの報酬が支払われますから人件費は高くなってしまいます。
高くなった人件費は運賃を高くして利益率を高くしなくてはいけません。

 

そこに目をつけたのがジェットブルーのデビット・ニールマンです。
もともと技術者であった彼は自らインターネットを利用したオンライン予約システムを開発しました。
これによって古い予約係、予約に必要な設備、オフィス面積を縮小・削減することができました。
そして利用者は代理店を通すことなく、直接航空会社のWebサイトにアクセスして予約を取ることができるようになりました。
LCCだけではなく、現在では航空会社全てで直接予約ができるようになりましたが、ジェットブルーはどこよりも先にこの方法を開発したのです。