首都圏の空港は「国内線は羽田、国際線は成田」という国内外での
役割分担がありました。
しかし2014年に羽田空港に対し、国際線発着枠が拡大されたことをきっかけにして
羽田空港の国際線化がどんどん加速していくことになりました。
では、どうして羽田空港を国際線化させていく必要があったのか
アジア周辺の状況や国策なども関連している詳細について見てみましょう。
■航空ネットワークの中核となるハブ空港化
もともと成田空港は国際空港としては、以下のような様々なデメリットがありました。
・都心から離れすぎているので、移動に時間がかかる
・24時間空港ではなく、午前6時から午前0時という制限がある
・滑走路が2本しかなく、1本は長さが短い
・長距離便で使用するA380などの大型旅客機の発着ができない
・成田行きの早朝交通手段がない
これらのデメリットが多くあることで、国際空港としては
非常に使いにくい空港として利用者からは苦情が出るほどでした。
そこで根本的に解決を図るべく、羽田空港を航空ネットワークの
中核となるハブ空港化する対応がとられたのです。
■仁川空港に流れた旅客を取り戻す
成田空港が24時間空港ではないことによって、韓国にある仁川空港は
爆発的な利用者数の増加によってアジアの中核空港となりました。
それによって成田空港の運用効率が悪化してしまったことで、
羽田空港に白羽の矢が立ったのです。
仁川空港は、2017年の実績として以下のようなものがあります。
・海外就航先18カ国、30都市
・1日の国際線発着回数は最大230回
・1日の国際線利用者数は約47000人
この数字は世界でも5番目に入る数字となっており、日本として
仁川空港がアジアの中核ターミナルになってしまうことは、
日本にとって国際的な競争力の低下を意味するものとなるわけです。
羽田をハブ空港化することによって、仁川空港に持っていかれてしまった
ヒト・モノの流れを日本へ呼び戻すことを目的としたのです。
■まとめ
幸いなことに羽田空港は大型旅客機の乗り入れができますし、
24時間空港に対応できるだけの交通の便があります。
そういった点を考慮しても、成田空港だけではなく
羽田空港を国内線と国際線を両立させていくことで、
LCCなどの乗り入れも活発化してきています。
こういった国策によっても空港事情というものは左右されていく
ことが分かったのではないでしょうか。