大型ジェット機になると燃料は最大で18万リットルにもなる。
ドラム缶で言えば900本分の燃料、重さでは170トンになるが
それを飛行機に搭載できるというのだから驚きです。
では、いったいそれほど大量の燃料をどこに搭載しているのでしょうか
具体的な場所について見てみましょう。
■多くの飛行機は主翼が燃料タンクになっている
大型ジェット機だけでなく、多くの飛行機は主翼の内部が空洞のため
そこが燃料タンクとなっている。
主翼は揚力を得るための装置ではあるが、内部は空洞であり
飛行機の重心にも近い位置になるので液体を格納するのに適している。
また燃料を消費して減ってしまっても、重心の移動が少ないのも
主翼の内部は燃料タンクとしては非常に好都合な場所と言えるでしょう。
■タンクの場所は主翼だけではない
主翼が1つのタンクになっているわけではありません。
飛行機は機体を傾けることもあるので、それによって燃料の揺れが大きくならないよう
タンクの中は細かく仕切られており、メインタンク、サブタンク、リザーブタンク、
サージタンクなどに分かれている。
また胴体にも1つの大きなタンク、翼に3つのタンク、尾翼にも水平尾翼Kタンクがある。
それぞれ順番に消費していきます。
■主翼部分はメインではあるが、先には使わない
主翼は最も多くの燃料が搭載されていますが、これを先に消費すると
翼が反り返ってしまうので機体全体のバランスを取るために、
胴体下部にある中央タンクの燃料から消費していきます。
また胴体下部のタンクを消費しきった後は、主翼タンクを消費していきますが
これも胴体に近い場所から順番に消費する仕組みが一般的です。
水平尾翼タンクは最後に消費される燃料と考えて良いでしょう。
■まとめ
胴体下部のタンクは想像できる人もいたのではないでしょうか。
しかし片翼に3つものタンクがあるとは、想像するのは難しかったでしょう。
一回のフライトに応じて充填される燃料は量が異なりますが、
そういった場合でも充填する場所はバランスを考えて行われているのです。
常に満タンにしておけばよいというわけではなく、燃料を含めた
機体重量が細かく計算されているわけです。