車、バス、電車などの乗り物はその多くが四角形の形をしている。
しかし飛行機の胴体は丸い形をしていますが、これに疑問を抱いたことはありませんか?
どうして飛行機の胴体は丸いのか、そして床下や天井裏はどうなっているのか。
その理由と構造について、詳しく見てみましょう。
■飛行機の胴体が丸いのは飛ぶための最適解
飛行機の胴体が丸いのは、端的に言えば何千メートルという上空を飛ぶからです。
高度が上がれば上がるほど、気圧は低くなり逆に機内は与圧して気圧を上げています。
この与圧によって、機内に送り込んだ空気は膨張して胴体に内側から圧力がかかります。
もし胴体が四角形をしていれば、与圧によって膨らんだ空気は四方八方に広がり
均等な圧力を維持できなくなりいびつになります。
そのため、胴体をあらかじめ丸くしておくことでボディ全体に係る力を均一にできます。
また四角形より丸の方が表面積が小さくなるので、空気抵抗も小さくなります。
このように飛行機の胴体が丸いのは、飛ぶための最適解から出されたものと言えます。
■丸い胴体には無駄なスペースができる
丸い形になると四角形に比べると無駄なスペースができてしまいます。
旅客機は客室部分のスペースが他の乗り物に比べると狭く、
電車に比べると一度に乗れる人数はかなり少なくなります。
客室は胴体の上半分の部分になり、更にその上の天井部分には様々なダクトが
通っているので、上半分のすべてを客室としては使っていません。
胴体の下半分は、主に貨物室として使われている。
となると客室と同じとまでは行かなくても、同等程度のエリアが貨物室となっています。
飛行機は乗客以外にも荷物、郵便、貨物を運ぶ手段として使われます。
特に貨物は専用のコンテナがあり、直方体の一辺が削られているので
胴体の丸みに効率良く収まるようになっています。
可能な限り無駄を省くための知恵と言えるでしょう。
■天井裏の構造
天井裏はダクトが多くなっていますが、主に各種ケーブル、電気、空調など
飛行機の運行に欠かせない設備が収納されています。
最近では天井裏に乗務員用のベッドが置かれているものもあり、
飛行時間の長くなるボーイング777などは前部と後部の天井裏のベッドで
乗務員が仮眠を取れる仕組みなっています。
■可能な限り無駄を省く取り組みが進んでいる
最近では、エアバス社のA330やA340、A380などの超大型旅客機で、
床下エリアを有効活用するために、乗客用ラウンジ、化粧室、バー、
乗務員用の休憩室などの設置が進んでいます。
とはいえ、その設備にも限界があります。
理由は乱気流などで機体が突然揺れると、乗客が床や天井に叩きつけられる
というリスクがあるためです。
これらの問題点を可能な限りクリアにして、安全、安心して飛行機を
これまで以上に快適な空間として利用できるよう、改良がなされているところです。