空港には航空機が離発着するための滑走路がありますが、
空港によって滑走路の長さは異なっています。
ではどうやって滑走路の長さを決めているのでしょうか。
これらは航空法によって定められているのですが、その詳細について
具体的に見てみましょう。
■「発着可能滑走路長」とは
日本の航空法では航空機の機種単位に「発着可能滑走路長」が定められていて、
対象の機種が発着する場合にその長さが必要となります。
例えばボーイング737であれば2000メートル以上の
滑走路が必要と定義されています。
単純に考えれば、飛行機の大きさに比例して必要な滑走路の長さも
長くなっていくと言えるでしょう。
そのため地方の空港などでは、ボーイング737などは離発着しないので
長さ800メートルほどの滑走路しかないケースが多いです。
そういった小型空港では、プロペラ機などの小型航空機しか
離発着できないと言えます。
■「離着陸滑走路長」とは
「発着可能滑走路長」はあくまでも基本的な滑走路の長さを
定めたものとなっていて、必ずしもその長さが必要というわけではありません。
例えばボーイング737の乗ったけども、着陸した空港の滑走路は
1500メートルしかなかったというケースもあります。
これだと航空法の定めに違反しているのでは?と考えるかもしれませんが、
これは航空機メーカーが定めた「離着陸滑走路長」に沿っています。
航空法の定めとは別で、機種単位に重量、離着陸時の気温などの
諸条件をもとに計算された滑走路の長さとなっており、
「離着陸滑走路長」を満たせば、最低限の離発着は可能となります。
基本は2000メートル必要なボーイング737でも、燃料が少ない短距離飛行であれば
1500メートル滑走路の空港でも離着陸可能となるわけです。
■滑走路は長さだけでなく幅も決まりがある
ちなみに滑走路は長さだけでなく、幅にも決まりがあります。
滑走路の長さに比例する形となっていて、以下のような規定があります。
2500メートル以上の滑走路:幅60メートル以上
1280メートル以上の滑走路:幅45メートル以上
900メートル以上の滑走路:幅30メートル以上
900メートル未満の滑走路:幅25メートル以上
これらの規定に沿って空港の滑走路は長さや幅が決められているのです。
■離着陸で変わる滑走距離
滑走距離は離着時で変わります。
離陸するときは燃料を積んでいるので、長さが必要となり
着陸時は燃料を消費しているので、離陸時よりも長さは短くてよい
というように機体の重量によって滑走距離が異なります。
そのため、燃料を多く必要とする長距離国際線や重い荷物を積んでいる
貨物便は滑走距離が長くなる傾向があります。
また天候によっても滑走距離はかわったきますので、離着陸時には
パイロットは管制官の指示に従い滑走路へと進入していくのです。