空港には様々な施設があります。
飲食店は充実していますし、お土産を始めとした買い物関連の施設も充実しています。
またレジャー施設としても友達、恋人、家族で訪れて楽しめる場所になっています。
しかし、それ以上に建築物としての空港ターミナルにも注目すべきものがあります。
空港というのは一般的に巨大です。
特に多くの人が利用するような国を代表するような空港はどこの国でもとても立派な建物です。
そして各国・地域によって個性豊かなデザインで建築されています。
その国を訪れる海外の人が目にする空港は国の顔とも言える建築物です。
建築を依頼された建築士は自らのオリジナリティと技術力をすべて注ぎ込んで設計しています。
だからこそ空港はとても美しいのです。
こうした世界の美しい空港建築を集めた写真集が出ているほど
空港の美しさに魅了される人はとても多いです。
空港は上空を飛行機が行き交います。
このためそれほど高い建築物を作ることはできません。
どうしても全体的に低めになってしまうので、吹き抜けで天井を高く見せる
緩やかなカーブで全体に奥行きを出す天井に窓を作って空が見える部分を作るなど
設計者はできるだけ開放感をだそうとすることが多いです。
また採光を確保するために壁面がガラス張りで作られていたり
見通しがよくなるように柱が少なくなるように、くつろげるようにゆったりと作られています。
こうした機能性を重視すると建築コストは跳ね上がります。
一般の住宅だと1坪50万円程度。
高層ビルで1坪100万円~。
対して空港ターミナルは1坪130~150万円です。
坪数で見れば、高層ビルより少し多いくらいですが
敷地面積でみると空港ターミナルはとても巨大です。
高層ビルを建てるのとは比べ物にならないくらいお金がかかっていることがわかります。
国際空港は先に言ったように国の玄関口で、その国の第一印象を決めるものです。
どの国も著名な建築家に依頼して、お金に糸目をかけずに建てることが多いです。
著名で実力のある建築家が、お金と技術とすべてを注ぎ込んでつくる建築物であることから
空港ターミナルは建築の賞を受賞することもとても多いです。
空港はいずれも著名な建築家達が空港の建設を手掛けていますが
特に名高いのがロサンゼルス空港、デンバー空港、韓国の仁川空港などを設計した
アメリカの建築士、カーチス・W・フェントレス氏です。
彼は都市というものは空港を中心に作られていくという「空港都市」という概念を提唱しています。
まさしく空港建築の大家です。
フランスの建築家 ポール・アンドリュー氏:シャルル・ド・ゴール空港、上海浦東空港
イタリアの建築家 レンゾ・ピアノ氏:関西空港
日本の建築家 黒川紀章氏:クアラルンピール空港、帯広空港
ぜひ実際に訪れる機会があったのなら、移動拠点としてただ通過してしまうのではなく
「設計のアート性」にもぜひ注目してみて下さい。
普段何気なく利用している空港に凝らされている、芸術性の高さに驚いてしまいますよ。