企画にはコストがかかるという発想を捨ててみる

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企業が何か企画をしようとすると、大抵の場合、多くのコストが必要になるケースが多いでしょう。
イベントを企画する、広告を出す、有名人を起用する……多くのアイディアにはコストが発生します。
しかし、必ずしも企画にコストが必要なわけではありません。
あえて「コストをかけない」ということを前提として発想することで、ユニークなアイディア、新しい発想が生まれるケースもあります。

例えばピーチが第一期の客室乗務員を募集しようとした時のことです。
通常、客室乗務員を募集するためには広告費用などが多く必要です。
沢山の雑誌や新聞、求人サイトやエージェントなどに募集要項を出して多くの人の目に触れる必要があります。
しかし、ピーチでは募集広告費を25万円しか用意できていませんでした。
これでは十分な広告を出すことは到底できません。
募集要項を多くの人に見てもらえなければ、優秀な人材を集めることはできませんし、十分な人員を確保することができません。

そこで、ピーチが考えたのは予算を増やすことではなく、25万円以内でどうやって募集をかければよいかということでした。
コストが必要という発想を捨てて、コストをかけずにできることはないか?と考えたのです。
そして実際に行われたのが「うちわを配る」というユニークな宣伝方法でした。

7月の猛暑の中、取っ手もついていない、穴を開けただけの簡易なうちわを難波の町で配ったのです。
まん丸の形にくり抜かれた、ピーチカラーのうちわを声を上げながら配っているピーチの社員。
それは今までにない社員の募集方法でした。
そしてそのユニークな試みはテレビなどの目に止まりニュースとして取り上げられました。
「ピーチの社員がうちわを配り客室乗務員を募集中!」と取り上げられることで、関西圏で大きなニュースとなり
結果として100人の募集に対して4000人の募集があったそうです。

企業が新たな取り組みを始める時に、莫大なコストが必要というのは思い込みにすぎません。
勿論お金をかければそれだけ大々的な広告を打つことができるので、世間の注目を集めることができるでしょう。
しかし話題性のある取り組みをすれば、コストをかけなくても認知度や知名度を高めることはできるのです。

他にもピーチがコストをかけずに認知度を高めたものに「挨拶」があります。
人とのコミュニケーションにおいて挨拶は基本中の基本です。
そして一般的な航空会社では客室乗務員が乗客にお礼を言うときには「ありがとうございました」です。
しかし、ピーチはここでも他の航空会社との差別化を図りました。
それがお礼に「おおきに!」ということです。

ピーチは関西の企業なのですから、お礼も関西弁が良いだろう、という発想にコストは必要ありません。
コストはかけずに、乗客に他社との差別化をアピールすることができて、親しみも感じさせる良いアイディアではないでしょうか。