電車感覚で乗ることができる飛行機をめざす

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■電車に着目し成功したLCC

LCCの中でも急成長して成功したのがPeachです。
「ピーチは空飛ぶ電車をめざす」というコンセプトのもとで、
電車をモデルにしてサービスを提供したことで航空会社にイノベーションを起こしました。

電車のようなサービスとはどのようなものでしょうか。

・チケットはお客様自身で手配をする。新幹線のチケットなどと同じ
・空港でのチェックインもお客様自身で行う
 駅の改札を通るのと同じように、自分で行う
・座席指定、飲食は有料とする。在来線を含む新幹線と同じ
・定刻になれば遅れることなく出発する
 電車はお客様を待つことなく時間が来れば出発します

Peach就航当初は「数分すら待つことができないのか」という苦情もあったようですが、
それも時間の経過とともに少なくなり、思ったよりも早く受け入れられたようです。
つまり「電車のようなサービスだから、安いんだ」ということが浸透し、
広く利用者に受け入れられたわけです。

このように同じ乗り物でも全く違う電車と飛行機に対して、
共通点を見出して実践することで、新しい価値観が生まれたのです。

■気軽に乗れる航空会社としての立ち位置

Peachでは関西国際空港から福岡空港への搭乗便で、
浴衣を着た若い搭乗客がおり、花火大会を見に行くために乗った。
というユニークな話があります。

つまり空飛ぶ電車は、まさに気軽に乗れる航空会社としての
立ち位置を完全に確立したということになります。

他業界で行っていることを、自分たちの業界に当てはめてみる
というのは簡単なようで非常に難しい話です。
これができれば、それは革新的なものになるのは間違いないでしょう。
何故かと言えば、そんなことは他の人がやってないからです・

PeachはLCCの中では先行者でもなく、むしろ遅れて参入した組です。
LCCは激しい競争の中にありましたが、そんな中で世界をつなぐ電車としての
役割を果たすためにこれからも新しいこと、誰もやっていないことに
着目してそれを継続して実践していくことでしょう。

それこそがイノベーションの非連続性と継続と言えます。
誰もしていないからこそ、何か新しい別なものを生み出すことができるのです。