機長と副操縦士も長時間のフライトになると食事をとります。
この食事にも安全を担保するためのルールが存在しています。
どのようなルールがあるのか見てみましょう。
■機長と副操縦士はメニューが別
まず機長と副操縦士は食事メニューが異なります。
同じメニューを食べる事は絶対にありません。
理由は機長の方が豪華でなければならない、ということではなく
同じメニューを食べる事で、二人とも食中毒になることを防ぐためです。
もし機長と副操縦士が同時に食中毒になってしまっては、
飛行機を操縦する人がいなくなってしまいます。
そのような事態を避けるために、メニューを別にしているのです。
■料理する人、道具なども別
さらに、メニューだけでなく料理人も異なっています。
そして調理器具も全て別になっています。
このように、二人そろっての食中毒というリスクを限りなくゼロにするために、
様々な工夫がされているのです。
そこまでしなくても…と思うぐらいの徹底具合ですが
これだけしなければ安心、安全は担保できないのです。
■食事内容はシンプル
乗客の食事は彩りや、味を楽しめるようなメニューになっていますが、
パイロットの食事はそのようなものではなく、至ってシンプルなものです。
理由は短時間に食べる事ができ、エネルギー源になることが求められるからです。
すぐに食べられて、エネルギー補給ができ、食中毒が起こさないような工夫がされているのです。
■コックピットにはテーブルがない
コックピットには食事を乗せるテーブルはありません。
そのため、機長や副操縦士は膝の上に食事を乗せて食べます。
そのため、乗客のようにトレイに乗った料理ではなく
ある程度の深さがある箱に料理が入れられています。
■同時に食事をとらない
機長と副操縦士は同時に食事をとることを禁止されています。
これは緊急事態が発生した際に、どちらかが即座に対応できるようにという理由からです。
もし同時の食事をしたことで、対応に遅れが出てしまっては
それが致命的な問題にもなりかねません。
■まとめ
このように食事1つとっても、安心、安全に配慮したルールがあり、
それが徹底されていることが分かります。
私たちが普段、何気なく乗っている飛行機ですが、このように
細かなルールの上で機長、副操縦士が働くことで、安心、安全が守られています。
ちょっとぐらいルールを破っても、問題が起こる可能性は低いです。
しかし万が一、ルールを破った瞬間に問題が起こってしまっては、
取り返しがつかない事態へと発展するのが飛行機なのです。
日々の安心、安全を守るためのルールが確立されていることを
再認識できる事例と言えるでしょう。